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相続についてその2
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このページの内容
ic 特別受益   ic 寄与分   ic 遺留分  
特別受益
被相続人の生前に特定の相続人が受けていた特別の利益(遺言での遺贈も含みます。)を特別受益といい、特別受益を受けた人を特別受益者といいます。民法903条には、「共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、または婚姻もしくは養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けた者」が特別受益者として定められています。
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特別受益者がいる場合は、相続財産に特別受益を加えたものが全相続財産になり、その全相続財産を基に各自の相続分を決めることになります。特別受益者は、特別受益の分だけ先払いを受けたと考えます。また、特別受益がかなり前に行われたものならば、その経済的利益を現在の時価に換算して評価します。
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ただし、被相続人が遺言で、特別受益を相続財産に含めないと定めた場合は、遺留分の規定に反しない限り、特別受益を相続財産に含めないことも可能です。特別受益が他の相続人の遺留分を侵害した場合は、特別受益者に対して遺留分減殺請求ができます。
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特別受益となる主なケース
◇ 特別の学費援助
◇ 結婚の支度金
◇ 住宅取得費用の援助
◇ 事業の開業資金援助
◇ 土地の贈与
◇ 債務の弁済
寄与分
民法904条の2では、「被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護、その他の方法により被相続人の財産の維持または増加について、特別の寄与をした相続人」を寄与者とし、本来の相続分以上に財産を取得させることができます。寄与者が、他の相続人より多く財産取得する分を寄与分といいます。
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相続財産から寄与分を控除したものを基に各自の相続分を決めることになります。寄与者は、その相続分に寄与分を加えた財産を取得します。なお、寄与分は被相続人が相続開始のときにおいて有した財産の価格から遺贈の価格を控除した残額を超えることができません。つまり、寄与分より遺言による遺贈の方が優先されるのです。
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寄与分は原則として共同相続人同士の協議で決めます。協議が調わないとき、または協議ができないときは、寄与者の請求により、家庭裁判所が、寄与の時期、方法および程度、相続財産の額、その他一切の事情を考慮して、寄与分を定めます。
遺留分
1) 遺留分権利者
被相続人が自分の財産をどのように処分しても原則として自由ですが、残された遺族の生活は法律上最低限の保障が必要です。そこで民法では、相続財産に法律上最低限相続できる割合を定めています。この法律上最低限相続できる割合を遺留分といい、遺留分を有する相続人を遺留分権利者といいます。遺留分権利者は、被相続人の配偶者、子(代襲者を含む。)、直系尊属のみで、被相続人の兄弟姉妹に遺留分はありません。
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相続のケース遺留分各相続人の遺留分
配偶者と子が相続1/2配偶者(1/4)  子(1/4)
配偶者と直系尊属が相続配偶者(2/6)  直系尊属(1/6)
配偶者と兄弟姉妹が相続配偶者(1/2)  兄弟姉妹(なし)
配偶者だけで相続配偶者(1/2)
子だけで相続子(1/2)
直系尊属だけで相続1/3直系尊属(1/3)
兄弟姉妹だけで相続なしなし
遺留分の基礎となる相続財産は、「被相続人が相続開始のときにおいて有した財産+贈与した財産の価格−債務の全額」となります。この場合の贈与した財産の価格とは、次のとおりです。
?@ 相続開始前1年以内にした贈与した財産の価格。
?A 相続開始の1年以上前にした贈与のうち、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与の価格。
なお、条件付きの権利または存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定めます。
相続開始前(被相続人の生前)に、遺留分権利者になるはずの者(推定遺留分権利者)は、遺留分を放棄することができます。この場合、家庭裁判所に「遺留分放棄許可審判申立書」を提出して、許可を得なければなりません。
相続開始後に、遺留分権利者が遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所の許可は不要です。遺産分割協議のときに、遺留分を放棄する意思表示をするだけで可能です。ただし、相続財産の存在などの事実関係に誤認や虚偽があれば、遺留分の放棄も含めて、遺産分割協議が無効や取消しになる場合もあります。なお、遺留分権利者のうちの1人が遺留分を放棄しても、他の遺留分権利者の遺留分が増えるわけではありません。
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2) 遺留分減殺請求権
遺贈や贈与などによって、自分(遺留分権利者やその承継人)の相続分が遺留分を確保できなかったときは、遺贈や贈与の相手方に対して、自分の遺留分を保全するのに必要な限度で、相続財産の返還を請求できます。これを遺留分減殺請求といいます。遺留分権利者は遺留分減殺請求権を主張しなければ、遺留分が侵害されたままになります。
そして、まだ具体的な財産分与が行われていなければ、遺留分の保全に必要な財産を控除して、相手方に渡すことになります。もうすでに相手方に財産が渡されていれば、遺留分の保全に必要な財産の返還を請求することになります。
遺留分減殺請求権は行使できる期限が定められています。遺留分権利者が、相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内。または、相続開始のときから10年以内です。遺留分権利者は、この期間内に権利行使したことを証明するために、配達証明付内容証明郵便で請求します。
相手方との交渉がうまくいかなければ、家庭裁判所に申し立てることになります。また、遺産の処分禁止の仮処分を求めることもできます。
遺留分減殺請求の対象となる財産が複数ある場合は、遺贈された財産から減殺し、それでもなお遺留分が侵害されている場合は、贈与された財産を減殺します。遺贈された財産が複数ある場合は、遺言に別段の意思が表示されているときを除いて、その全体について、遺留分の保全の対象となっている財産の価格に応じて減殺します。贈与された財産が複数ある場合は、後の贈与から順次前の贈与に対して減殺します。
遺留分減殺請求に対して応じるときは、現物を返還するのが原則となっています。しかし、不動産などのように返還すべき分だけ返還するのが難しい財産は、金銭弁償も認められています。